月が見えない
月が見えない
風邪をひいた。
久々に喉に違和感が出て、でもその違和感を忘れるようにワインを1本空けたら、翌日から一週間、熱と喉の痛みに苦しめられた。すぐに良くなるだろうとたかを括っていたら思いの外、長引いてしまった。3日目から薬を飲み始めたらすぐに楽になっていった。薬学の発展に感謝である。
風邪をひいても仕事に穴をあけられないのが社会人だ。毎日職場でなんとか業務をこなしつつ、暗くなったら帰る日々だった。ある帰り道、空を見上げても月が見えなくなった。月の満ち欠けがちょうど見えない方にあるのだろう。心なしか町が暗く感じた。次の日も、大きく変わることなどない空を見て、月が見えないなぁと残念な気持ちのまま帰っていた。対向から歩いてくる人の持つタバコの火がやけに光っていて、なぜか落ち込んだ。
Twitterを時々開いてタイムラインをざっと眺めると、みんなが元気そうにしていて少しだけ情けなくなる。早く元気にならなくちゃと思い、薬を飲んで早く寝る日を送った。
それから僕の体調はだいぶ良くなったが、月はいまだに見えない。中学生の時に、月の満ち欠けの周期を学んだ気がしたけど忘れた。調べてみるとそろそろ見えるようになるらしい。しっかりとこの風邪を治しきって、月のことを迎えてあげたいと思う。